(3)紅茶ポリフェノールが脂肪吸収を抑制するメカニズム
たとえば脂肪吸収抑制は、次のようなメカニズムから生じている。
通常は食事から摂取した油脂は、腸の上皮細胞の膜のリン脂質と結合して乳化(水分中に細かく分散)し、消化酵素によって分解され、腸の細胞に吸収される。
しかし、ここに紅茶ポリフェノールが加わると、まずリン脂質と結合して油脂の乳化が解除され、油脂同士がくっついて巨大化し、腸から吸収されにくくなる。さらに消化酵素の表面で作用して、油脂を分解する働きを阻害するため、吸収が緩やかになる。
抗ウイルス作用に関しては、本当にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症の予防などにつながるのかが気になるところだろう。食品なので、もちろん薬剤ほどの効果はないが、基礎研究や動物実験では、緑茶も紅茶も両ウイルスの「不活化」が確認されている。
信頼性の高い研究を行うためにはヒトによる臨床試験が不可欠だが、たとえば健康な人にウイルスを投与することは倫理上問題であるし、「ポリフェノール含有量の統一の困難などの問題もあるため、ヒトでの実証は難しいのです」と、甲南女子大学医療栄養学部の川畑球一准教授は話す。


















