(4)「トイレに行きたい」「え…俺がやるの?」…病院の待合室で試練
さらに試練は続く。やれやれと待合室に座り落ち着いたところ「トイレに行きたい」とおかん。「え、俺がやるの……。そ、そりゃそうだ。当たり前だろ!」脳内でひとり突っ込みしながら車椅子を押して広いトイレに連れて行った。問題はその次だ。
おかんは自力で車椅子から便座に移動できない。一緒に中に入り、車の乗り降りの時と同じように支えながら介助するしかない。しかも、はいていたズボンやパンツを下げる手伝いも必要だった。子供の頃、自分がおかんにしてもらったことはあっても逆は初体験だ。還暦過ぎた息子は戸惑いを隠すため、おかんと目を合わせないようにしていた。介護って想像以上に大変だ。どっと疲れた。
トイレを終えると携帯に着信があった。包括支援センターの保健師からだ。「近所にショートステイ可能な施設がありました。明日から入れるそうです。どうするか担当医と相談して先方に電話してくださいね」。仕事が早い。少し先行きに希望が持てた瞬間だった。




















