住宅の暖房は公衆衛生インフラ…NYのアパートが常に暖かい理由
これは、単なる快適性の問題ではありません。
20世紀初頭、過密な集合住宅が激増し、冬の低体温症や呼吸器疾患が発生、さらには個別の暖房による火災が多発したことをきっかけに、「暖房は公衆衛生の一部」という考え方が確立されました。テナント運動と制度改革を経て、暖房は“オプション”ではなく“居住の最低条件”と位置づけられるようになったのです。
家の中が暖かいので、日本で問題になっているような、入浴時のヒートショックの発生率は低くなっています。逆に健康被害が起こるのは主に屋外です。寒波時の低体温症、心血管障害、呼吸器疾患の悪化が中心です。
こうした被害を最も受けやすいのはホームレスです。1月末現在、寒さにより屋外で亡くなった市民は10人。彼らを守るために、ニューヨーク市では寒波の際、誰でも無料で利用できる「ウォーミングセンター(暖房された避難所)」が開設され、マムダニ市長自ら利用を呼びかけています。
寒さが屋外型の健康リスクとして管理されているのも、この街の特徴の1つと言えるでしょう。




















