著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

(1)イベルメクチンはなぜ新型コロナ禍で使われなかったのか

公開日: 更新日:

「イベルメクチンで患者の命を救っている各国の医師たちに『何かメッセージを』と呼びかけた」ところ、世界中から証言が寄せられたという。むろん英文だから、日本語に翻訳してまとめたのが本書である。

 そこには、たとえばペルーでイベルメクチンによる新型コロナ感染者の大規模な治療が行われると、死亡者数がピーク時に比べて30日間で74%も減少したなどの論文もあり、臨床現場で劇的な効果が出ていたにもかかわらず、世界保健機関(WHO)や米国食品医薬品局(FDA)などは、安全性が保証されていないという理由で推奨しなかったとある。さらに海外の大手メディアはイベルメクチンが動物薬でもあったことから「馬の駆虫薬」などと蔑んだり、医師がSNSでイベルメクチンを勧めると、「誤情報」として削除されたという。

 イベルメクチンには新型コロナに有効を示す論文もあるのに、巨大な組織がこれを消し去ろうとする動きは奇怪である。なぜイベルメクチンは無視されたのか。パンデミックの裏で何が起こっていたのか。

 その結果、イベルメクチンなどに代わって、「性急に承認した」mRNAワクチン(核酸ワクチン)が世界中で使われた。日本だけでそれに払ったコストは2兆4000億円。接種事業全体で4兆2000億円だ。にもかかわらず、公式記録では世界で550万人余が死亡し、日本人は13万人余が亡くなった。期待されたイベルメクチンはなぜ消えたのか。本書から引用しながらお伝えしたい。ちなみに、本書は「反ワクチン」のために書かれたものではない。もちろん大村博士も「反ワクチン」ではないことをお伝えしておく。 (つづく)

【連載】問題の本「イベルメクチン 世界の臨床医の証言」を読む

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