著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

いざというときに「悪態」をつくと痛みを感じにくくなる

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 ただし、2011年の研究では、日常的に悪態をつく頻度が高い人ほど、悪態による痛み耐性の上乗せが小さくなることも示されました。汚い言葉に慣れてしまっているため効果が薄かったとは、スティーブンスらの見解です。とはいえ、悪態が内なるパワーを解放することも事実かもしれません。

 2018年に行った別の研究では、30秒間全力で自転車をこぐテストと握力テストで、悪態を繰り返すとどうなるかを調べたところ、悪態をつく条件の方が最大パワーや握力が高くなることが分かったといいます。2023年にも、イスを使う体重負荷の課題において、再度、悪態の効果を調べているのですが、やはり悪態をつく条件の方がより効果があったことを報告しています。

 では、これらの研究結果が実際に体にどのような負荷をかけているか--ということですが、心拍数や血圧などの自律神経指標(心拍や発汗のような体の自動調整の指標)に明確な変化は見られなかったそうです。悪態が脱抑制(感情や衝動を抑える機能が失われ、衝動的な振る舞いをしてしまう状態)と関係する可能性もあると言われるだけに、「悪態」の効果は今後も注視すべきトピックと言えるでしょう。

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