(27)「サ高住」見学の約束を取り付けるだけで疲労困憊

公開日: 更新日:

 それは老健に入所して1カ月ほど経ったある日に実行した。兄とふたりで訪ね、「おかんは今後、どうしたい?」とできるだけ優しく確認すると、やっぱり自宅に戻ることしか頭になかった。

 体力やバランスが心配、再びケガする可能性も高いと話をしても、「もう何でもできるようになった。トイレだってひとりで行ける」。相変わらずのおかん節が続いた。おかんにとって自宅以外は自由を奪われる場所。回復期も老健もサ高住も有料老人ホームも特養も、すべて「老人を押し込める施設」との思いが根強いことが伝わってきた。

「そうじゃないよ。とくにサ高住というのはね……」

 時間をかけて解説していく、の繰り返し。かくして約2時間、兄とふたりがかりの説得に根負けしたのか、「納得したわけじゃないよ。見るだけだよ」。

 見学に行く同意を取り付けた頃には疲労困憊。頭がフラフラになっていた。

【連載】シニアな息子と母の介護物語

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    麻生太郎が「皇室典範」改正を急ぐ理由は…“日本会議の30年の集い”に間に合わせたいから

  2. 2

    佐藤二朗の地上波ドラマはしばらく厳しいが…橋本愛の事態はもっと深刻

  3. 3

    福山雅治も結婚後は苦戦…亀梨和也も正念場を迎えている

  4. 4

    大谷翔平のホワイトハウス訪問に思わぬ落とし穴…トランプ大統領の「余計な援護射撃」に要注意

  5. 5

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  1. 6

    日本ハム伊藤大海が受けた甚大被害 WBC「本当の戦犯」は侍ジャパンのベンチだった!

  2. 7

    佐藤二朗vs橋本愛ハラスメント騒動は「文春嫌い」「フジテレビ嫌い」「共産党嫌い」が絡み合うカオスに

  3. 8

    国会嫌い高市首相「2つの疑惑」からの逃げ切りも画策…逆ギレから3週間、「秘書陳述書」提出の動きなし

  4. 9

    要潤、玉山鉄二、速水もこみち…40代イケオジ俳優3人の「人生いろいろ」

  5. 10

    西武は渋谷店閉店、池袋本店はヨドバシカメラに…海外ブランドに振り回される国内百貨店の実態