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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

「前立腺がん」「子宮頸がん」治療後の下半身の悩み…周りに相談できない人も

公開日: 更新日:

 この手術で勃起神経が損傷されると、EDが心配です。前立腺がんは70代にピークを迎えますが、若くして治療した方は不安でしょう。細かい手術が可能なロボット手術でこの神経も温存が可能ですが、障害の程度によってはEDの症状も重くなります。症状が軽ければ、バイアグラをはじめPDE5阻害薬が効果的です。

 一方、女性では子宮頚がんを治療した後、性的な活動が低下することが知られています。子宮頚がんは30~40代に多いため、パートナーとの関係も含めて心理的にも大きな負担になりやすい。

 手術でも放射線でも膣の萎縮が起こるため、その予防として最近は膣ダイレーターの使用が勧められます。これは医師の指導で患者本人が使用する医療器具で、膣の狭窄予防の目的などに使われます。

 欧米では、婦人科がんの外来に専門外来が設置されている医療機関も多く、治療後は性機能ケアが長期のフォローアップとして組み込まれています。日本もその意識は高まっていますが、専門外来はまだまだ限られています。

 そんな状況ですから、男女とも悩みを抱える方が少なからずいるため、つらい方はがん診療連携拠点病院などに設置されているがん相談支援センターに相談するとよいでしょう。患者や家族はもちろん、地域の住民も無料で利用できます。こうした性的な悩みについて日本は、残念ながら遅れていると思います。

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