(2)高齢者は「かむ力」が弱くなると転倒しやすい
「歯がなくとも入れ歯などを使用すればリスクは高くなく、きちんとかめていれば運動機能も保たれることが分かります」(金沢理事長)
同フォーラムで講演した日本スポーツ歯科医学会の安井利一理事長は、「子どもの場合もかみ合わせは運動能力に影響します。虫歯や歯周病がなく、歯並びがそろっている子どもは体のバランスも安定し、運動能力が高い傾向にあります」と話します。
安井理事長がこの関係に気づいたのは1970年代だったそうです。
「小学校の歯科健康診断で虫歯が多く正しくかめない子どもは、歯がいい子どもに比べ懸垂の回数や50メートル走のタイムが劣る傾向にあることに気づき、調査を始めたのです」
安井理事長の研究では咬合(こうごう)力が高い中学生ほど50メートル走や立ち幅跳びなどの運動能力テストで成績が良好という結果が出ています(「中学生の咬合状態と健康観および運動能力の関連性について」<明海大学歯学雑誌>36)。
また、水泳での実証実験では下顎をずらした状態(かみ合わせがずれる)だと泳ぐ方向もずれることが分かりました。


















