「みんなやっている」という情報が、人を動かす
例えば、カリフォルニア州立大学サンマルコス校のシュルツらは、カリフォルニア州サンマルコス市の約290世帯を対象に、電気使用量と社会的規範に関する実験を行っています。各家庭に「近隣の平均電気使用量」という情報をフィードバックすると、平均より多く消費していた家庭が使用量を減らす半面、元々平均より消費電力が少なかった優秀な省エネ家庭は「平均より少なくて済んでいるから、自分はもっと使っても大丈夫だ」と判断し、かえって電気使用量が増えてしまったのです。ただ呼びかけるだけでは、こうした「ブーメラン効果」が生じ、うまくバランスが取れなくなってしまうのです。
その解決策としてシュルツらは、単に使用量データを提示するだけでなく、社会的承認・不承認を表す「絵文字」をドアハンガーに書き添えて配布しました。優秀な省エネ家庭には、「ハッピーフェース」の絵文字を添えて配布したところ、ブーメラン効果をわずか1%に抑えることに成功。平均以上の消費家庭には、不承認を意味する「サッドフェース」を添えて配布したところ、6%の電気使用量の削減を促すことができたそうです。こうした社会的承認・不承認を「命令的規範」と呼ぶのですが、これらをセットにすることで効果的な社会的なルール、望ましい行動を促進できるというわけです。


















