(6)アルツハイマー病を引き起こす脳のゴミ…「原因探し」から「始まり」を捉える時代へ
現在、多くの研究者は「アミロイドβが病気の引き金となり、タウが神経細胞の破壊を進める」という2段階モデルを支持している。世界では、タウの凝集や神経細胞間での広がりを抑える薬の開発も進められており、将来は抗アミロイド薬と抗タウ薬を組み合わせた治療が期待されている。
■「種」が見つかっ?
一方、アミロイドβ研究も新たな局面を迎えている。その代表が、日本の研究グループが報告した「Peak 1 Aβ(ピーク1Aβ)」である。Peak 1 Aβとは、アルツハイマー病患者の脳に存在するさまざまなアミロイドβを調べた中から見つかった、特に強い「シード(種)」活性を持つアミロイドβの集まりである。
「シードとは、ごく少量でも周囲の正常なアミロイドβを次々に集め、凝集を始めさせる“火種”のような存在です。研究グループは、患者の脳から取り出したアミロイドβの中に、このシードとして働く力が特に強いものが存在することを示しました。さらにモデルマウスでは、このアミロイドβを投与すると強力に老人斑形成が誘導されたことから、Peak 1 Aβは病気の始まりに関わるシードの有力候補として注目されているのです」(根来医師)


















