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五木寛之氏特別寄稿 「高度成長社会」から「高度成熟社会」へ

 私たちの住むこの国の人口は、次第に減少しつつある。それがおだやかに落ち着くとき、日本の総人口は、7000万人くらいになっているだろうと言われている。それを気遣う声も少くない。

 国民の数が少くなれば、当然、経済も縮小するだろう。少子化によって社会の活力が失われる可能性も考えられる。

 しかし、人口減少イコール国家の衰退、というわけでもあるまい。文化の成熟というのは、必ずしも高度成長期にもたらされるものではない。あの輝かしいルネサンスは、人口減少期のヨーロッパにおこったという話を聞いて、なるほどと思ったものだった。

 人間のフィジカルな最盛期は、ふつう30歳代から40歳あたりまでだろう。年を重ねるにつれて、誰しも少しずつ、体力、気力ともに衰えていく。

 しかし、人の社会的立場や精神的成熟、また、実務能力や経験知などは、逆にその時期から大きくなってくるものである。

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