巨大な福建土楼は衛星がミサイル基地と見間違う美しい円形
中国・福建省といえば烏龍茶が思い出されるかもしれませんが、お伝えしたい絶景は「福建土楼」です。
漢民族のうち客家(ハッカ)と呼ばれる人々が主に築いた巨大な共同住宅で、外敵との争いに備え、高く厚い壁で覆われています。入り口は1つのみ。上層階に攻撃用の狭間(小窓)がある要塞のような造りが特徴的です。中庭に井戸を設けて家畜を飼い、穀物を備蓄することで長期戦にも対応していたというから驚かされます。
写真の通り、死角が生じないようにきれいな円形をしたものが多いのですが、その美しさたるや、衛星からの写真を解析した米国がミサイル基地と見間違えたという笑い話もあるほどです!
住居の要塞化が進んだ背景にあるのが移民問題だといわれます。中国北東部から移ってきた客家が増えるにつれ、現地民との間でいざこざが増したため、一族単位で土楼を築いたそうです。
土楼群へは、最寄りの都市アモイからバスで4時間程度。アモイへは日本から直行便も出ています。土楼を築く場所は風水によって決められており、あちこちに散在しているため、現地ツアーを利用するのがいいでしょう。いまだに生活が営まれている土楼もあり、宿泊可能なものもあるので、1泊してみるのがおすすめです。