“新型コロナ不安”を軽くする心構え 心理学博士に聞いた
「不要な外出は避けていますし、なるべく自宅でおとなしくしているんです。でも、新型コロナウイルスへの不安は募る。家にいてもやることがないし、ジワジワと心がむしばまれる感じなんですよね」と、定年退職したばかりという都内の60代男性はタメ息をつく。
漠然とした不安をため込んでいると、それこそ病気になりかねない。身が持たない。
「不安には、大きく2つある。1つは何も知らないという不安。もう1つは知り過ぎることで生じる不安です」と話すのは、米心理学博士で医学博士の鈴木丈織氏だ。詳しく聞いた。
「“新型コロナ不安”は後者で、連日の報道で情報や知識ばかりが増え、不安があおられている。ストレスがたまっているなと感じたら、いったん“テレビ断ち”して、あえて情報を遮断した方がいいでしょう」
「つまらん」「やってられない」などと、ネガティブな言葉を口にするのも、よくないらしい。
「自宅で待機するにしても、政府や会社に押しつけられたと考えるから、否定的な気持ちになるのです。自分は犠牲者だという“やらされ感”があると、人間は不満や不安が高じやすい。口に出して言うと、なおさらネガティブな感情が募っていきます。それより、意識的に『自宅待機は、ご近所さんや会社の同僚など他の人を守るためだ』などと、自分の行動に“意義”を持たせるようにすることで、不満や不安が軽くなっていきます」