【追悼】小田嶋隆さん 言論のゲリラであり本来の意味のリベラリスト、高校時代から変わらぬシニカルな視点
日刊ゲンダイのコメンテーターであり、コラムニストとして活躍した小田嶋隆さんが24日、病気のため、65歳で亡くなった。
早大教育学部卒業後、入社した食品会社を1年で退社し、パソコンのテクニカルライターとなり、その後、月刊誌「噂の真相」などさまざまな媒体でコラムを執筆し、軽妙かつシニカルな筆致で鋭い社会批評を繰り広げた。
小田嶋氏は私の2歳年下のいわゆるシラケ世代。先行する全共闘世代に対しては懐疑的で、「反権力」とひとくくりにできない複雑さがあった。最初期の著書「我が心はICにあらず」は全共闘世代のバイブルだった高橋和巳の著書「我が心は石にあらず」を多分に揶揄したものであることからもうかがえる。
筆者は小田嶋氏とはささやかな縁があった。学生時代にアルバイトしていた赤羽の喫茶店で、夏休み期間にバイトで入ってきたのが当時、小石川高校3年の小田嶋氏だった。