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黒岩泰株式アナリスト

山一証券、フィスコなどを経て、2009年4月に独立。独自理論である「窓・壁・軸理論」をもとに投資家に、株式・先物・オプションの助言を行う。著書に「究極のテクニカル分析」「黒岩流~窓・壁・軸理論」など。

年金生活者にとってはあまり好ましくないが…「金利がつく世界」が間もなくやってくる

公開日: 更新日:

 しかし、今年の春、いよいよその政策に終止符が打たれようとしている。「金利がつく世界」に戻ろうとしているのだ。そのための条件となっているのが、物価がゆっくりと上がり続けること。そして労働者の賃金が上がることである。
<賃金が上がる↓人々がモノを買う↓物価が上がる↓企業が儲かる↓賃金が上がる>

 こういう「好循環」に突入すればよいのである。

 現時点では、「その可能性は高い」といえるだろう。賃上げ交渉である「春闘」で企業側がOKと言えば、日銀がいよいよ「利上げ」に動き始めることになる。

 でも、年金生活者にとって、物価が上がることは、あまり好ましいことではない。金利が増えても、それ以上にモノの値段が上がってしまえば、「実質的な購買力」が落ちてしまうからだ。

 あと、気になるのは日銀の「利上げ」が、為替市場で円高を招くこと。これによって国内輸出企業の収益が悪化すれば、景気に水を差すかもしれない。

 日銀がせっかく「重い腰」を上げても、すぐに「ぎっくり腰」になってしまうということ。

 もし、そうなったら、日本経済は重症病棟へ行くことになるだろう。もちろんシニア層も一緒になって、しばらく起き上がれそうもない。

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