闘病姿を動画配信…「格好悪い姿をさらけ出すのも猪木だからです」と笑った

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 75歳で後期高齢者の仲間入りをして2年余り。さすがに私も、最近は死を身近に感じるようになりました。知人、友人が1人、また1人と亡くなっていく中で特にショックだったのは、アントニオ猪木さん(享年79)の壮絶死でした。

 私が新日本プロレスのリングドクターとして彼を診るようになったのは42年前のこと。以来、彼の数々の病気、健康状態を診てきましたが、最後に思ったのは、あの強靱な肉体も結局は老いるのかということです。

 一般の方は、病気と老化を別に考えていますが、実際は一緒のものです。最近は老化を病気としてとらえ、アンチエイジングは可能とする考えもありますが、ヒトは老いるから病気を発症するのです。そうして、なんらかの死因となる病気で死んでいくのです。

 猪木さんの直接の死因は「心不全」ですが、それを引き起こしたのは、「全身性アミロイドーシス」という厚労省指定の難病、いわゆる“不治の病”です。

 この難病は80歳以上の高齢者に多く見られる病気で、やはり老化の影響というしかありません。アミロイドはタンパク質の一種で、これが臓器に蓄積されていくと、さまざまな機能障害が起こるのです。なぜ加齢とともにアミロイドが生成されていくのか。そのメカニズムは解明されていないため、治療法はありません。遺伝性なのか、後天的なものなのかもわかっていません。

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