3階建ての居酒屋で面接…急階段を300往復と聞いて「無理だ」と断念
「えっ、そんなに……」
「忙しい日はその倍になります。けっこうしんどいですよ」
「私は60代ですが、同年代の人が働いたことはありますか?」
「うーん……」
杉崎氏はしばらく押し黙ってから「たぶんないと思います」。
現在ホールスタッフは5人。全員が28歳以下だ。安全のためにスニーカーをはいて働くそうで、「早い人は『思った以上に階段がつらい』と音を上げて3日で辞めていきます」。
よく見ると階段には手すりもない。体力の衰えを感じている私にとって、この階段は鬼門だ。足を滑らせて皿やグラスをぶちまける光景を想像し、「こりゃ無理だ」とつぶやいた。
「どんな人材を求めているんですか?」
「元気に挨拶できる人です。気持ちよく挨拶すれば、注文などのミスをしても、お客さんは勘弁してくれますから」
杉崎氏は高校を中退して居酒屋業界に入った、この道20年の叩き上げ料理人だ。何か質問するたびに「うーん」とうなる姿はコワモテの貫禄が漂う。
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