進次郎農相の痛恨ミス…備蓄米5キロ1800円でも相場が下がらないカラクリ

公開日: 更新日:

■専門家が断言するワケ

 実際、小泉農相が新たに備蓄米放出を発表した後も、相場は5キロあたり100円程度しか下がっていない。特にマズかったのが直接販売を選択したことだという。

「小売りへの直接販売だと古古米、古古古米がそのまま売られてしまいます。もしこれが卸に出されていたら、他のコメとブレンドされるため、通常のコメに近い状態でにおいが気にならなくなり、おいしくなります」(常本泰志氏)

 今回の備蓄米をブレンド米として販売していれば、相場を下げる効果があったとみられている。

「例えば、第1回から3回の備蓄米(取引価格60キロ約2万円)を8割、今回の4回目(60キロ1万円)を2割混ぜると、5キロ2000円台前半のコメができます。そもそも買い戻しなしで古いコメから順に競争入札で放出していたら、4月以降の価格上昇は防げた可能性もあります」(常本泰志氏)

 しかも今回放出される30万トンは、日本人が消費するコメのたった半月分でしかない。小泉農相は残り30万トンの放出も示唆しているが、備蓄米が空になった状態で大規模災害が発生したケースを想定すれば、無限放出は避けるべきとのこと。「5キロ1800円台」は見た目のインパクトだけで、令和の米騒動を根本解決するものではないという。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾