シニア猫の排尿、排便の補助をしてあげよう
しかし、これを怠ってタンパク質が分解された老廃物がたまって尿が停滞すると、それが雑菌を繁殖させる培地となり、尿に膿がたまって、最悪の場合、腎不全に。20歳まで元気でいてくれたのですから、排尿の介護を覚えて尿をキレイな状態に維持できるようにするのです。
ただし、圧迫が強過ぎると膀胱が潰れる危険があり、勧めない獣医師もいます。それも事実で、完全麻痺になって勧めるのはそのためです。それまでは定期的にリハビリに通いながら、自宅では腰を温めることをお勧めします。
排便の介護では、まず食事の工夫を。炊いた米をフードに混ぜると、便が軟らかくなります。ネコちゃんは本来肉食で、炭水化物などは消化されにくく、大腸で速やかな排泄につながりやすいのです。長毛種の毛玉対策に利用されるラキサトーンやキャットラックも、同様に便を軟らかくしてくれます。
軟便化対策でもダメなら、下腹部を手でもんでみて硬い塊が触れたら宿便です。強めに押して粘土のような感触があれば腫瘍をはじめできものの可能性は低いでしょう。それが分かれば、かかりつけ医を受診して、私なら摘便で対応します。下剤や浣腸を勧める獣医師もいますが、それだと下痢便が止まらなくなることも多く、自宅で垂れ流し状態になるのはよいとは思えませんから。