孫にあげた電子マネー「お年玉」の行方は?
だが、そんな夢は早くも崩れ去った。あなたが犯した最大のミスは、孫の自制心を過信したことではない。
「ペイペイ」というアプリの“悪魔性”を見落としていたことだ。
証券会社で投資するのは「手間」がかかる。しかし、ペイペイは違う。コンビニのからあげクンから、サークルの飲み代まで、指先ひとつ、0.5秒で欲望をかなえてしまう「魔法の杖」なのだ。
全世界(オルカン)に分散投資されるはずだった12万円。それは今、世界の優良企業ではなく、駅前のジャンクフード、プライベート・エクイティー(個室居酒屋)へと、間違いなく分散投資されたのである。
中国産の枝豆、ブラジル産の鶏肉、アメリカ産のバーボン……なるほど、孫はウソをついてはいなかった。
彼のお腹の中で、世界の素材(オルカン)は見事なポートフォリオを組んでいたのだから……。
ここで学ぶべきことは、相場の読み方ではない。「他人の財布(スマホ)に入ったお金は、もはや制御不能」ということ。
孫への資金援助は「投資」ではなく、返礼不要の「寄付」と割り切ること。
“見返りを求めない心”こそが、シニアにとって最強の「リスクヘッジ」となる。


















