夫と縁を切りたい…有名な「縁切り神社」にお参りしたら予想外の結果になった

公開日: 更新日:

 境内をさらに奥へ。そこにひときわ人だかりのする場所がある。「縁切り縁結びの碑(いし)」と呼ばれる大きな岩だ。この岩には人が這って通り抜けられるぐらいの穴が開いている。「形代(かたしろ)」という御札に願い事を書いて手に持ったまま裏から穴を潜ると悪縁が切れ、もういちど表から潜ると良縁を結ぶと言われている。神社独特のピンと張りつめた空間の中で、びっしりと白い紙で埋め尽くされた岩の周りの空気だけ、ゆらゆらと人の”想い”が立ち上って揺らめいているような気がした。

 霊験がいつ現れるのかわからないが、待っているばかりではあまりにも他力本願。私はアパートを借りて一人で生活し始めた。家を出たからには経済的に自立しなければならない。必死で働いた。昼間は事務、夜と休みの日はライターとして。

 気がつけば5年がたっていた。毎日が忙しく、いつの間にか私は、金毘羅さんにお参りしたことすらすっかり忘れていた。そのことを思い出したのは、もう一緒に暮らせないと思った「夫と」、京都の町を散策していた時だった。私たちは、離婚しなかった。

 5年の間に、私たち夫婦の関係は変わった。私は一人で生きていく力を手に入れた。逆に夫は、一人で仕事をしながら家事をすることのたいへんさを、身をもって知った。もう「家事なんて片手間にできること」とは言わない。休みの日には積極的に家事をする。晩御飯がスーパーの総菜でも文句を言わなくなった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希の選手会脱退に「情けないし、寂しい」 球界に広がった“第2の朗希”への危機感

  2. 2

    中傷動画疑惑に「ナメプ」連発の高市首相に大打撃! 共同通信の作成者証言報道を皮切りにメディア総攻撃開始

  3. 3

    中傷動画疑惑めぐる高市首相「虚偽答弁」の“証拠”出た! 木下剛志秘書の「回答書」公開され万事休す

  4. 4

    東京都内の選挙で自民また手痛い負け…「リベラル一掃を」と鼻息荒かった杉並区長選も暗い先行き

  5. 5

    大谷翔平が負傷して出血…ドジャース指揮官は軽症強調もサイ・ヤング賞に悪影響を及ぼす懸念

  1. 6

    ドジャース大谷6年連続オールスタースタメンに暗雲…建国250周年の地元票が生む“フィリーズ包囲網”

  2. 7

    高市首相に疑惑炸裂で「茂木新総裁」が急浮上 キングメーカー麻生太郎氏とも関係良好、経験値の高さも折り紙付き

  3. 8

    トンチキアイドル枠独占のM!LKが“ポスト嵐”に急浮上! イケメンからインテリまで幅広く

  4. 9

    高市首相、病気を理由に辞任? 囁かれるショートリリーフは麻生指名で「茂木敏充」か

  5. 10

    紙切れ一枚でクビに…怒りに任せて野球用具すべてを詰め込んだバッグごと、ゴミ箱にぶん投げて球場を後にした