著者のコラム一覧
若月澪子

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

これが日本の「中流」サラリーマン転落の軌跡 年金の「繰り上げ受給」を選ぶのは、お金と仕事がない人

公開日: 更新日:

中流エンジニアの「失われた30年」

 ちょうどCさんが40歳を過ぎたころ、バブル崩壊の余波で終身雇用が崩壊。Cさんは会社から早期退職を促された。

「提示された退職金は1000万円。当時の私は中高年の再就職は難しいと想像もせず、退職を受け入れました」

Cさんが退職勧告を受けた2000年前後は、バブル崩壊後の不況が、雇用に最も悪影響を及ぼしていた時期だ。大卒の就職率が過去最低を記録した「就職氷河期」が社会問題となった一方で、社員のリストラもピークを迎えていた。

 この時に職を失った中高年は正社員として再就職できず、非正規になった人もいる。Cさんもその一人だった。

「その後はエンジニア系の派遣会社に登録して働き続けました。年収は470万円から250万円まで下がり、生活費を補てんするうちに退職金も貯蓄もなくなりました」

 筆者の知る限り、リストラされた人に悪人顔はいない。Cさんは人のよさそうな笑顔で語った。

(後編につづく)

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