著者のコラム一覧
若月澪子ルポライター

1975年生まれ。ジャーナスリト。大学卒業後、NHK高知放送局・NHK首都圏放送センターで有期雇用のキャスター、ディレクターとしてローカル放送の番組制作に携わる。結婚退職後に自殺予防団体の電話相談ボランティアを経験。育児のかたわらウェブライターとして借金苦や終活に関する取材・執筆を行う。生涯非正規労働者。ギグワーカーとしていろんな仕事を体験中。

「派遣でコールセンター」とは正直に言えない…借金返済のため同業を掛け持ちするシニア男性の悲哀

公開日: 更新日:

「コールセンター」にためらいを感じる男性

 Fさんは、借金を返すために副業もしている。どんな副業をしているのかと聞くと、またも小さな声で「コールセンター」と答えた。Fさんは借金返済のために、コールセンターをかけ持ちしているのだ。

 副業のコールセンターは、夜間や土曜日に役所系の問い合わせ受付をするという。いずれも時給は1700〜1800円ほど、月収は30万円弱、年金は未受給。残債はあと500万円はあるという。

 コールセンターでは、顔の見えない人を相手に問題を解決する。忍耐力と想像力と交渉力とコミュ力がいる。しかし、顧客からカスハラを受けることもあり、ストレスフルな仕事だ。

 以前に大手パソコンメーカーのコールセンターで働いていた、とある就職氷河期世代の男性に取材した時、彼は「コールセンターは、社内で底辺業務」と自嘲気味に話していた。
 
 彼らのように「コールセンターで働く」ことに、引け目を感じる男性がいる。Fさんが最初に名乗った「品質管理コンサルタント」という肩書には、コールセンターに漂うネガティブな印象を消す効果があるのかもしれない。

 ストレスフルな仕事に就いた時、人は分厚い鎧をまとって自分を守るのだろうか。Fさんは最後まで堅い表情を崩さないままだった。

(後編につづく)

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