「派遣でコールセンター」とは正直に言えない…借金返済のため同業を掛け持ちするシニア男性の悲哀
「コールセンター」にためらいを感じる男性
Fさんは、借金を返すために副業もしている。どんな副業をしているのかと聞くと、またも小さな声で「コールセンター」と答えた。Fさんは借金返済のために、コールセンターをかけ持ちしているのだ。
副業のコールセンターは、夜間や土曜日に役所系の問い合わせ受付をするという。いずれも時給は1700〜1800円ほど、月収は30万円弱、年金は未受給。残債はあと500万円はあるという。
コールセンターでは、顔の見えない人を相手に問題を解決する。忍耐力と想像力と交渉力とコミュ力がいる。しかし、顧客からカスハラを受けることもあり、ストレスフルな仕事だ。
以前に大手パソコンメーカーのコールセンターで働いていた、とある就職氷河期世代の男性に取材した時、彼は「コールセンターは、社内で底辺業務」と自嘲気味に話していた。
彼らのように「コールセンターで働く」ことに、引け目を感じる男性がいる。Fさんが最初に名乗った「品質管理コンサルタント」という肩書には、コールセンターに漂うネガティブな印象を消す効果があるのかもしれない。
ストレスフルな仕事に就いた時、人は分厚い鎧をまとって自分を守るのだろうか。Fさんは最後まで堅い表情を崩さないままだった。
(後編につづく)
















