住宅業界激震 中国から部品届かずトイレや洗面台が消えた
新型コロナウイルスの感染拡大が日本企業に大きな影響を及ぼし始めている。インバウンド需要の激減で痛手を受けている観光業界だけでなく、部品調達を中国に依存していた住宅業界にも激震が走っている。2月20日からネット上に「新型コロナウイルス感染拡大に伴う資材供給への影響に関してのお知らせとお願い」とする情報を発信しているのは、ハウスメーカー・アイフルホーム東京羽村店神田ホームの神田佳憲社長だ。
「設備機材を数カ月前からメーカーに発注していますが、メーカーからは『納期未定』『生産ストップ』という返事しか返ってきません。とくにユニットバス、IHキッチン、トイレは皆無の状態」
こうした機材の部品は中国で生産しているが、中国の工場が新型肺炎の影響でストップ。部品の入荷がないためメーカーは工場での製品の組み立てができないのだ。
「品薄からアマゾンなどネット販売が始まりましたが、それも買い占められ月末の週にはネットでも『納期未定』が続いています」(前出の神田社長)
中国に7工場を持つ住宅機材機器の製造販売メーカーTOTOは、工場の稼働が遅れ商品供給が間に合わない状況。そのため通常なら同社の商品を使う建築会社がLIXILやパナソニックの商品に代替え、注文が殺到する両社からも機材の「納入未定」が出される状況。パナソニックの住宅資材を担当する幹部が厳しい状況を説明する。