空振りに終わった中国戦略…“大塚”とは中国語で“大きな墓”
2018年の年末、大塚久美子氏は窮地に立たされていた。16年から業績は下降線をたどり、累積赤字が膨らむ。
17年12月期には過去最高の72億円の赤字に転落。15年12月期に109億円あった現預金も、18億円にまで減少していた。新規資金を調達しなければ、経営の継続すら危ぶまれる状況に追い込まれていたのだ。
久美子氏は金融機関などに追加融資の要請を行う一方で出資先を探したが、思うようにはいかなかった。
主要取引銀行のひとつである三井住友銀行はヨドバシカメラとの提携を進めようとしていたが、久美子氏が経営権に執着し、買収話は机上の空論となってしまった。17年に資本提携したレンタルオフィスのTKPによる支援も持ち上がったが、こちらも暗礁に乗り上げた。
18年8月に発表された中間決算の決算短信には、企業の継続に警鐘を鳴らす「ゴーイングコンサーン」が付記され、金融機関などからは「久美子さんが経営権を手放さない限り支援は難しい。破綻を待ってから再生するスキームを考えるべきなのでは」という声も上がり、もはや日本で出資先を探すのは難しい状況に置かれていた。