有森隆
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有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ダイハツ工業(上)品質不正は64車種に…なぜトヨタグループでこうした不正が続発するのか

公開日: 更新日:

 ダイハツとトヨタの関係はどのように深化したのか。

 ダイハツの歴史は古い。初の国産エンジンを開発する目的で大阪高等工業学校(大阪大学工学部の前身)の技術者たちが1907(明治40)年、発動機製造株式会社を創立したのがルーツだ。本社工場がある大阪府池田市に自動車工場ができたのは38(昭和13)年のこと。戦後の51年にダイハツ工業株式会社に社名変更した。

 トヨタとの関係は、67年に業務提携したことに始まる。98年、トヨタが子会社にした。2016年に完全子会社となり、多数の幹部がトヨタから送り込まれた。

 不正が認定された1989年以降のダイハツの歴代会長・社長12人のうち8人がトヨタの出身者だ。

 2005~11年6月、会長を務めた白水宏典氏の時代に、低燃費・低コストのコンパクトカーを短期開発で仕上げ、この手法で収益を上げるビジネスモデルが確立した。第三者委は「11年に発売したミライースの成功で無理な短期開発が定着し、そのプレッシャーが従業員を追い込んだ」と問題点をえぐり出した。

 白水氏は「白水天皇」とまで呼ばれるほどのダイハツの最高権力者になっていた。

「白水天皇」とは何者か。=つづく

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