「東京脱出」企業が増加する背景 コロナ禍収束で都心回帰進むはずが…本社移転は前年度比18%増

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 東京都の場合、転入数は22年度3723件、23年度3983件、24年度4584件と増加が続くが、23年度に減少した転出数(前年4936件から4614件)が24年度には5742件と再び増加し、1158件の転出超過数となっているのである。

 東京都からの転出先で今年度とくに注目されるのが、埼玉県、千葉県、神奈川県といった大都市圏の中心都市から周辺都市への転出が急増している傾向だ。ちなみに転入超過トップの埼玉県は転入が1507社に対し、転出は1257社と250社の転入超過となっているのである。都心から周辺都市への本社転出の流れを日本総研の小方尚子主任研究員がこう指摘する。

「大都市のオフィス賃料の高騰、人手不足が大きく影響していることは明らかです。求職者は職場環境を重視する傾向があり、魅力的なオフィス環境の整備が優秀な人材確保の重要なポイントになっています。都心のビルをリニューアルするにはおカネがかかり、環境に恵まれたオフィスは賃料が高いため賃料が安い周辺都市への移転が増えているということです」

 オフィス仲介大手の三鬼商事によると東京ビジネス地区の空室面積は4月の1カ月間で約1万500坪減少、平均賃料は2万755円で前年同月比4.69%上昇したという。本社移転の動きは、大手の都心回帰、中小の地方転出といった二極化が進みそうだ。

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