アラスカ産原油は「令和の石油危機」解消の切り札か? 日本の増産協力にトランプ大統領ご満悦も拭えぬ不安

公開日: 更新日:

 開発が進まなかった理由は環境問題だ。原油の埋蔵エリアは北極圏の野生生物保護地区に近接し、バイデン前政権など主に民主党政権が環境保護の観点から開発を制限してきた。トランプ大統領の号令一下で増産にカジを切っても「数年かかる可能性がある」(石油業界関係者)との声もある。

■ガソリン1リットル=294円も

 すでに日本は石油備蓄の放出を開始。国と民間との計254日分で当座をしのいでも、原油価格は争奪戦の過熱で急騰中だ。アジア向け指標の中東産ドバイ原油は19日に1バレル=169.8ドルとイラン攻撃前の2.4倍に跳ね上がった。原油高騰は国内のガソリン価格に直結し、1リットル=190.8円(レギュラー)と過去最高値に。野村証券の分析によればドバイ原油が200ドルまで上昇すると、ガソリン価格は294円となり、政府が再開した補助金の1日あたりの金額は370億円に達する。

 高騰が1カ月続けば約1.1兆円、3カ月なら約3.3兆円となる計算だが、補助金の財源は当面「燃料油価格激変緩和基金」の残高2800億円から捻出。不足すれば今年度の予備費8600億円の使用を検討しているが、それでも1カ月で底をつく。「令和石油危機」に間に合わなければ、アラスカ産原油の増産は絵に描いた餅だ。高市首相は悠長に過ぎる。

  ◇  ◇  ◇

 高市首相の「狂喜乱舞」姿が世界に拡散されてしまった日米首脳会談。関連記事【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大和証券グループ「オリックス銀行を3700億円で買収」の皮算用

  2. 2

    高市首相がどんなに反論しても…石油・ナフサ危機「6月に詰む」に現実味、トヨタ系企業からも悲鳴

  3. 3

    片山財務相&三村財務官コンビの為替介入に戦略なし 手の内ミエミエの投機筋はむしろ大歓迎という皮肉

  4. 4

    中東情勢、業績悪化、倒産増加…GW明けの日本経済にたちこめる暗雲

  5. 5

    経団連副会長に「三菱」が6人 三菱電機が「スリーダイヤ」グループで頭一つ出るか?

  1. 6

    実質賃金3カ月連続プラスは“春の夜の夢”…高市政権の場当たり的バラマキ政策で「円破壊」が進む

  2. 7

    高市首相が窮地…株・円・債権トリプル安で「追い込まれ補正予算」編成すら危うい八方ふさがり

  3. 8

    ナフサ危機が食料品流通も直撃! 包装資材不足で鮮度保てず、出荷さえできなくなる恐れ

  4. 9

    専門家は「無私の姿勢で組織を引っ張る人」と評価する「司馬遼太郎」のリーダー像が受け入れられなくなったのはなぜ?

  5. 10

    石油備蓄に奇妙な“二重基準”…1日の消費量が日本政府は「176万バレル」で国際基準は「336万バレル」のナゼ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムは「自前球場」で過去最高益!潤沢資金で球界ワーストの“渋チン球団”から大変貌

  2. 2

    新庄監督にガッカリ…敗戦後の「看過できない発言」に、日本ハム低迷の一因がわかる気がした

  3. 3

    高市首相が天皇皇后のお望みに背を向けてまで「愛子天皇待望論」に反対する内情

  4. 4

    和久田麻由子アナがかわいそう…元NHKエースアナを次々使い潰す日テレの困った“体質”

  5. 5

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に墜ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体

  1. 6

    佐々木朗希vsシーハン 「マイナー落ち」めぐるドジャース崖っぷち2投手がちんこ勝負

  2. 7

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  3. 8

    大和証券グループ「オリックス銀行を3700億円で買収」の皮算用

  4. 9

    「浜崎あゆみの父が見つかった?」と一部で話題に 本人がかつてラジオで明かしていた「両親の離婚」

  5. 10

    “幼稚さ”露呈した佐々木朗希「報奨金事件」…ド軍日本人スタッフ2名が「7000万円超」もらえず?