「正直不動産」「地面師たち」「変な家」…不動産エンタメが世界でヒットする要因
スクリーンで久しぶりの永瀬財地と再会した感想は、「相変わらず損な役回りだな」という愛着とともに、不動産業界の闇を真正面から描きながらコメディーと人情のドラマに昇華させた演出と、素材としての原作の持つ底力を改めて実感した。
ここ数年、不動産を題材にしたコンテンツが目立って増えている。Netflixで世界的ヒットとなった「地面師たち」、ホラー作家・雨穴の「変な家」が広げた間取りホラー、民家内で人が死亡した物件を指す事故物件ホラー、そして相続をめぐる泥沼の人間関係を描く作品たち。
ジャンルは違っても、根底にあるのは「家」や「土地」への執着と不安である。持てる者と持てない者の分断、情報格差、財産をめぐる家族の亀裂。住まいと資産をめぐる切実さが、人々を不動産エンタメへと引き寄せている気がする。
社会問題をエンタメに翻訳する作品が増えることは、時代の成熟の証しでもあるし、それだけ現実が追い詰められている裏返しでもある。
そんな中にあって「正直不動産」は、笑いと知識と誠実さを武器に選んだ。尽きない不動産業界の歪みを描きながらも、不動産は人の営みそのものという本質から目をそらさない。そのバランス感覚に、この作品の強さがある。映画は今週末から公開される。
(ニュースライター・小野悠史)



















