伊藤博敏
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伊藤博敏ジャーナリスト

1955年福岡県生まれ。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件などの圧倒的な取材力では定評がある。数多くの週刊誌、月刊誌のほか、現代ビジネスなどウェブニュースサイトにも寄稿。主な著書に「許永中『追跡15年』全データ」(小学館文庫)、「『カネ儲け』至上主義が陥った『罠』」(講談社+α文庫)、「金融偽装─米国発金融テクニックの崩壊」(講談社)、「黒幕」(小学館)などがある。

世間知らずの資産家がカモに…詐欺師のだましのテクニック

公開日: 更新日:

 柏木も生保の顧客を勧誘。なかには老後資金3000万円を投資、大半を失った栃木県の夫人がいる。「警察に被害届は出しています。信用し、すべてを預けて裏切られました」と悔やむが、今回の事件で柏木の身柄は確保された。隠された資金の回収に全力を尽くす。

 タイ鉱山投資には柏木のようなブローカーが数十人はいて、彼らはタイ鉱山を終えると、他の商材に取り掛かっている。

 主謀者のひとりは、昨年4月、「どこでもでんき株式会社」を立ち上げて永久発電機の開発を始めた。東京・秋葉原のビルの一室には、充電なしに走り続けるという“眉唾”の電動スクーターを置き、投資説明会を開いていた。そのスタッフには柏木と組んだ仲間もいて、返済を迫る顧客に「この夢の発電機でカネを集め、返済します」と、うそぶいていた。

 詐欺師、人非人の所業だが、人をだまして一瞬に数百万、数千万円のカネを奪うと、そこから抜けられない。「元本保証、月利3%なんてうまい話はない。だまされる方が悪い」という自己責任論があるが、だます方は民事刑事の責任を逃れるテクニックを持ち、言葉巧みにからめ捕る。世間知らずの資産家など、赤子の手をひねるようなものだ。

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