<第18回>「客が入っても8億円の赤字」の放漫経営

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「昨年の収支はどうやら赤字だそうだ。損失はいくらかって? 8億円くらいだと聞いている」

 ある親方がため息交じりに、こう言った。

 一昨年は遠藤なら、昨年は逸ノ城。新入幕の人気力士が土俵を盛り上げ、本場所の観客数は右肩上がり。13年度の事業収支は4年ぶりの黒字になり、約1億5000万円の利益を計上した。

 昨年もほとんどの場所で「満員御礼」の垂れ幕が吊るされたものの、しかし収支は約10億7000万円の赤字だった12年度以来、またしてもマイナスになるという。10年の野球賭博、11年の八百長騒動から尾を引く協会の赤字体質は、どうやら改善されそうもない。

「親方の退職金やら国技館の修繕費にカネがかかるといったところで、そんなのは以前から分かっていたことでしょう。それより連日、あれだけ客が入っていながら赤字が改善されないというんじゃ、協会全体の士気にかかわる。出入りの業者との癒着とか、業者からのキックバックとか、協会内部にはいまだに不透明なカネ、不透明なカネの使い方をしているんじゃないかと勘繰りたくもなりますよ。経営に問題があるんじゃないかってね」とは前出の親方だ。

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