ドラ1候補仙台大・熊原 直球は30球投げ続けても威力不変
【2015年ドラフト注目投手 生採点】
熊原健人(仙台大)を最初に見たのは、去年の6月の大学選手権。まさに、怖いもの知らず。全身から汗を飛び散らせて、伸び上がるように跳び上がるように躍動し腕を振る。いや、腕を叩く。
初めての〈全国〉。緊張も気負いもあるはずなのに、最初から140キロ台後半をがんがん繰り出して、強豪のスイングを力で粉砕していく。
いったい、どんな青年なんだろう……。
パワーピッチャーのようでいて、決して力任せじゃない。けっこう丁寧に投げている。ガサガサしたヤツじゃなさそうだ……。
勝手に想像して、投げるボールより〈本人〉のほうに興味があった。受けたのはこの秋。9月半ばのリーグ戦たけなわの頃。
「大学で野球やってなかったら、今ごろ、神主になってたはずなんです」
ご実家が〈神社〉なのは聞いていて知っていた。
「中日の浅尾さんっていう存在がなかったら、たぶん野球続けてなかったと思うんですよ」