湯水の如く税金投じ 五輪バブルに浮かれる日本スポーツ界

公開日: 更新日:

 前出の菅野氏が言う。

「こうなると、大金で五輪のメダルを買おうとするようなもの。強化費は東京五輪に向けて、毎年のように増額されていくでしょう。国民や都民は舛添都知事の金の使いみちには厳しいが五輪関係には甘い。日本中が東京五輪のメダルラッシュを夢見て、多額の税金投入が続けば、五輪関連より必要なところに回らなくなるのは当然です。そのツケを払わされるのは、結局われわれ国民です」

 JOCの橋本聖子選手強化本部長は、東京五輪までの約6年間で、600億円といわれていた強化費について「800億から1000億円が必要。さらに増える可能性もある」なんて言っているが、冗談じゃない。

 金融緩和に依存し過ぎたアベノミクスは大失敗。個人消費はまったく増えず、将来に不安を抱える国民は財布の紐を締めたままだ。おまけに世界経済の先行きは不透明ときている。五輪のメダルが日本経済のカンフル剤になるとは思えないのだ。五輪だから、メダルがかかっているからと、湯水のごとくカネを使っていいはずがない。

(注)マルチサポート=メダル獲得が期待される選手に対し、スポーツ医・科学、情報、フィットネス、トレーニング、栄養、心理、動作分析、ゲーム分析など、多方面からの専門的かつ高度な支援を行う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因