恩師告発の代償 女子レスリング伊調馨は国内に居場所なし

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 伊調がマットを去る決断をしたとしても、協会を揺るがす騒ぎを引き起こしただけに、日本レスリング界の反発を招くのは想像に難くない。母校の至学館大はもちろん、「残念ながら、伊調を指導者として招く高校、大学は皆無とみていい」(スポーツライター)。かねて伊調は「いずれは指導者になりたいと思っている。常にマットに上がりたいし、上がっていたい」と話していたが、日本のレスリング界に携わるのは絶望的な状況なのだ。

 もっとも、五輪、世界選手権合わせて優勝14回と輝かしい実績を持つ絶対女王を、世界のレスリング界が放っておくはずがない。これまで日本に煮え湯を飲まされてきたロシア、米国、カナダ、中国といった強豪国が伊調を指導者として招聘に動く可能性は十分にある。

 栄氏譲りの感覚的なレスリングをする吉田と異なり、伊調はタックルひとつ取っても意味を持たせ、何事も理詰めで追求するタイプだ。自分が必要としなかったり、納得のいかない練習は取り入れないタイプで、栄氏と袂を分けたのも、それが原因のひとつだったといわれる。


「リオ五輪後は国内外のレスリング教室で講師を務めており、昨年9月には中東での女子レスリング普及、強化のため、イランでの指導に出向いた。自らの経験に加えて、選手個々に合った的確なアドバイスは海外でも評価されています」(別のレスリング関係者)

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