恩師告発の代償 女子レスリング伊調馨は国内に居場所なし

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「現役を続けるにしても、引退するにしても、日本で生きる道はないかもしれない」――。

 レスリング関係者の間では今、こんな話でもちきりだという。

 かつての恩師である日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)によるパワハラを明らかにした五輪4連覇の伊調馨(33)に関してだ。

■全日本では針のむしろに

 伊調は中京女子高(現至学館)時代、同校の監督を務めていた栄氏の自宅に下宿しながら練習を重ねてきた。栄氏の車で学校や大会会場に送り迎えしてもらうなど、公私にわたって世話になり、五輪3連覇の吉田沙保里とともに、一時は親子以上の関係を築いた。

 昨8日に都内で開かれたレスリング協会の定例理事会後、同協会の副会長を務める馳浩元文科相は、「伊調さんの思いをきちんと聞いてあげる必要がある。五輪女王というだけでなく、協会に大変貢献の大きな選手。しっかりバックアップしてあげなければいけない」と話したが、恩師を“告発”した今回の騒動によって、伊調の居場所が完全になくなってしまうとみる関係者は少なくないのだ。

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