著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみに何もできない日本テニス協会に未来はあるか

公開日: 更新日:

■あっという間の日本離れ

 大坂の父はハイチ系米国人、母は日本人。日本で生まれて3歳でニューヨークに移った。二重国籍だが、現実的には米国人と言っていいだろう。登録を日本にしたのは、頭角を現した2年前の日米争奪戦で、一家が日本協会を選んだのだ。待遇面はともかく、日本は選手層が薄くフェド杯などの代表になれたからだ。

 大坂をゲットして張り切った日本協会は、ナショナルコーチ扱いでデービッド・テイラーというコーチを招いた。全米優勝のサマンサ・ストーサーを育てたが、ストーサーと大坂はまったく別のタイプで、この人事が機能しなかった。いつの間にかコーチはサーシャに代わり、テイラーは勝手にエレナ・オスタペンコとコーチ契約……。大坂は2月のフェド杯をパスし、4月のプレーオフにも出る気配はない。記者会見でも日本語は話さなくなったなど、あっという間の日本離れである。

 日本協会にとって大坂は、何といっても2020年のオリンピック要員である。大坂が所属する代理店IMGにそんな考えはない。BNPパリバの優勝賞金が1億4750万円で、ドラマは始まったばかり――金の卵に指一本触れさせないという方針は当然だろう。テニスはプロの世界だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に