津田俊樹
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津田俊樹スポーツライター

産経新聞記者として1992年アルベールビル冬季、同年バルセロナ夏季五輪を取材。運動部長、論説委員を経て、現在フリー。2019年に東京五輪開催をめぐる問題点を指摘する「ブレないスポーツ報道」(言視舎)を出版。

<4>捜査機関に委ねれば加害選手は「被疑者」として扱われる

公開日: 更新日:

 日大選手による悪質タックル問題で、関学大アメフト部は「最終的には捜査機関に委ねる。この事案はスポーツの範疇を超えたもの」と徹底追及の構えを崩していない。

 当時の日大の監督やコーチの指示によって、ケガを負わされた事実関係を調べ上げ、すべてを明らかにするのは当然である。だが、試合中に起きたことはフィールド内で決着できないのか。

あの反則は絶対に許されないという関学大の意向は理解できます。でも、スポーツの現場で起きたことは、スポーツに携わる者で最終決断を下すべきではないでしょうか」(アメフト関係者)

 既に、警視庁は日大関係者から聞き取り調査を行ったというが、実際に立件されるか、微妙な情勢だ。

 負傷した選手の父親は警察への被害届は取り下げないが、悪質なタックルをした選手には寛大な処分を求める嘆願書を集めるという。何を求めているのか、どうしたいのか、発言すればするほど、複雑になっていく。捜査機関に委ねれば、加害選手は「被疑者」として扱われるのだ。

 関東学生連盟が日大の内田正人前監督と井上奨前コーチを除名するなどの処分を下しても風当たりは変わらない。

 スポーツに携わる者は自らの力で逆境から再起する道を探ってほしい。体と体がぶつかり合うアメフトだからこそ、より通じ合えるのではないか。

【連載】日大アメフト殺人タックル事件の深層

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