山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

浅村の中に垣間見えた「とてつもない自信」が気になった

公開日: 更新日:

 西武からFA宣言していた浅村栄斗楽天入団が発表された。報道によると、入団交渉の際に金額面で最高条件を提示したのはソフトバンクだったが、楽天の石井一久GMの言葉やチーム状況とのマッチングなど、金額以外の要素を考慮して楽天を選んだという。以前は銭闘一色だったFA戦線も、近年は少し様相が変わってきたようだ。

 様相が変わったといえば、その浅村のオリックスへの対応もそうだ。獲得に名乗りをあげたオリックスに対して、浅村は入団交渉の席に着くことなく断りの連絡を入れたという。そもそも浅村はFA権行使にあたり「他球団の評価を率直に聞きたいと思った」などと話していたが、ことオリックスだけは評価すら聞いてみたいと思わなかったということか。いずれにせよ、これまでのFA戦線では見られなかった異例の門前払いであった。

■同じフリーの身として

 もちろん、この対応について「非常識だ、無礼だ」などと批判する声も少なくないが、最初から浅村の中にオリックスに入団する気が全くないなら理解できるところもある。その気がないことを隠しながら交渉の席に着くことは非合理的かつ時間の浪費であり、さらにはオリックスをだますことにもなる。それもまた失礼な行為だろう。

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