「中継カメラを利用しろ」箱根5区の攻略法を現役監督伝授
【奈良修・大東文化大陸上部監督】
箱根5区に限ったことではありませんが、私が学生に言うのは、沿道の声援とテレビの中継カメラを利用しろということです。
5区には走者がキツいと感じる所々に、モチベーションが高まるポイントがあります。3キロすぎの箱根湯本駅周辺には、応援の人垣ができています。呼吸が乱れ始めた7.6キロ付近の大平台バス停で気持ちを高めます。11.8キロ地点の小涌園には中継局のテレビカメラが設置されているため、自分を奮い立たせて頂上を目指す。苦しい所で応援されたり、テレビカメラがあるので、「いいところを見せよう」「頑張ろう」という気になるものです。
コースを攻略する上で重要なのは、ペース配分はもちろん、山を登る途中にある平坦な場所での走り方です。多くの走者は上りから平坦部に差し掛かると、呼吸を整えるためペースダウンするもの。私は次の上り坂に向かうための助走と位置付け、平らな所では、むしろ加速していました。
今はテレビ中継の影響で華やかなイメージがあるため、我々の現役の頃と違って、5区を希望する学生が増えました。適性は、普段の練習、夏合宿などの坂路トレーニングでの動きから見極めます。