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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

“大本命”青学大に挑む 東洋・駒沢の意地と拓大の飛脚走り

公開日: 更新日:

【駒大の意地】いよいよ箱根一筋という11月下旬、駒大の学長が大八木弘明監督に辞任を勧告し、金銭疑惑があるとまで週刊誌にリークした。学内の派閥争いだが、こんな時期に、トップ自らスキャンダルを流すアホをやらかした。万年予選会のチームを名門に引き上げた指導者や選手に泥を塗る行為。駒大は予選会でチームの10番目が全体の29位という好成績だった。この“激走”は理解なき大学への怒りと意地だ。

【拓大の飛脚走り】対抗馬の最右翼に挙げられるのは東海大だ。出雲3位、全日本2位と自信もつけ、好選手がそろったチャンスを逃すまいとさまざまな工夫を凝らしている。ただ、駅伝ではそうした気負いが危ない。青学大・原晋監督のあおりに揺れる箱根路を飛脚のように、淡々と走るのが拓大だ。実業団のニコニコドーでブームを巻き起こし、亜大ではあっと驚く総合優勝をなし遂げた岡田正裕監督の持ち味は、留学生をキャプテンにする徹底した合理主義。味噌醤油の会社で九州一の売り上げを残した元営業マンが、耳元でささやいた。「いままでで一番の出来です」に3000点!

 箱根駅伝は学生の純粋な努力の戦いだが、ビール会社が協賛ならいろいろな楽しみが許される。ああだこうだと楽しんで最後は健闘に拍手を送ろう。

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