8得点圧勝も喜べず…スクイズ2度失敗でまたダメ虎ぶり露呈
「毎試合これだけ打ってくれたらどれだけ楽か……」
矢野監督がそう思ったとしても不思議ではないだろう。阪神は糸原、マルテ、梅野の3本塁打を含む9安打で大量8得点。投げては先発青柳から救援4人をつぎ込んでの完封リレー。巨人戦3連敗の嫌なムードを吹き飛ばす完勝劇だったが、課題も露呈した試合だった。
両軍無得点の五回裏、阪神ベンチは無死二、三塁から8番梅野に2ボールからスクイズのサインを出して失敗(ファウル)。二飛に倒れた。ベンチは続く青柳にも1ストライクからの2球目にスクイズを命じたがこれもファウル。結局、青柳は外角のクソボールを振って三振した。その後、近本が申告敬遠、木浪への押し出し四球で阪神は難なく先制。福留が走者一掃の3点適時打でゲームの主導権を握ったわけだが、12球団最少得点(417)が示すようにそもそもが打てないチームだ。
この日は相手先発浜口の突然の乱調と福留の適時打以降も、6本の長短打が出てバカ勝ちしたものの、「ここぞという時にきっちり点が取れないのは、日頃からバントや走塁を軽視しているから。外角の何でもない直球(ストライク)をきっちり前へ転がすことができない青柳のスクイズ失敗が象徴的だ」(OB)という厳しい声もある。ベンチワークではなく、「打ったら勝った、打てないから負けた」という、神頼みのような野球をやっていては、誰が監督やっても阪神はBクラスが指定席となる。