さいたま国際女子マラソンを消滅させた実業団の“駅伝重視”

公開日: 更新日:

 近代女子マラソン「第1号」のDNAが消える。

 五輪や世界陸上など女子代表選考会のひとつだったさいたま国際マラソンが、12月に予定していた第6回大会開催を見送ることになった。

 この一報に落胆したのが、元陸連専務理事の帖佐寛章氏だ。

「国際陸連(現・世界陸連)が世界で初めて公認した女子マラソンが1979年創設の東京国際女子マラソンだった。コース選定のため警視庁に通い、選手集めに奔走した思い出深い大会です。その後継大会が横浜国際(2009~14年)であり、さいたま国際(15年~)だったわけですから」

 さいたまのコースは起伏が多く、「好記録が期待できない」と漏らす実業団の指導者も少なくなかった。しかも、全日本実業団対抗女子駅伝と開催日が近いことも有力選手が出場しない理由とされ、国内の「女子3大マラソン」(大阪国際、名古屋ウィメンズ)の中では最も注目度が低いレースだった。さいたま市の財政負担も重く、陸上界からも「消えていくのは時間の問題」という声が出ていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言