G菅野に二者択一の苦悩 五輪1年程度延期でメジャーor侍J

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、7月24日に開幕予定だった東京五輪の「1年程度」の延期が決まった。

 24日、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会のバッハ会長との電話会議で「遅くても来年夏までに開催」が確認された。これにより、プロ野球界で最も大きな影響を受けるのは、この男ではないか。侍ジャパンのエース候補、巨人菅野智之投手(30)である。

 かねてメジャー挑戦の夢を公言している。順調なら2021年中にも海外フリーエージェント(FA)権を取得。球団は昨年11月にポスティングシステムによる大リーグ移籍を初めて容認し、山口俊(32)のブルージェイズへの移籍が実現した。菅野も海外FA権を取得する1年前、つまり今年のオフにも、同システムでの移籍の可能性が浮上している。

■ファンの気持ちを大切に柔軟に

 巨人の山口寿一オーナーは昨年11月、「菅野の場合はドラフトで1年待って1年を棒に振ってジャイアンツに来ている。その分、海外FA権を取得する時期も後の方にずれていくという事情はあります」と言及。11年のドラフトで日本ハムからの1位指名を拒否し、翌年に巨人入りを果たした「空白の1年」を考慮する可能性を示唆すれば、今村司球団社長も日刊ゲンダイのインタビューで「今のヒーローの条件は『世界』というキーワードが外せない。ファンの方が『行ってこい。頑張ってきて』と言うのか、『無理だろ』と思うのかが結構大きい。民意だと思う。ジャイアンツとしてはファンの気持ちを大切に柔軟に対応していこうと思う。最終的に選手に選択権があるようにしたい。菅野君も自分の今の体調などを見ながら選択するんじゃないですか。彼には今シーズンが終わってから話をしようと言っています」と前向きな発言をしている。

 ただ、五輪が1年延期になれば、菅野の夢に暗い雲が垂れ込める。菅野は母国開催の五輪出場にも「決まってから、ずっと目標にやってきた。(ソフトバンクの)千賀とも『やっぱり出たいよね』と話した」と語るなど、強い意欲を示している。しかし、来年メジャーリーガーになった上での五輪参加はほぼ不可能となっている。大リーグ機構は東京五輪にメジャーのベンチ入り26人枠に入っている選手の出場を認めていないからだ。

 五輪出場にこだわれば、メジャー移籍は早くても海外FA権を取得する21年オフ。プレーする22年には32歳になっている。今村社長が「やはり30歳を越えると峠を越える。今後はFA権の取得期間を短くするとか、ルールが変わっていくかもしれません」と語っているように、年齢の問題が生じるのである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  3. 3

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  4. 4

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

  4. 9

    ビシエドDeNA入りの前評判 中日退団のきっかけ「中田翔」より結果を残せるのは間違いなし

  5. 10

    巨人無残な50億円大補強で“天国から地獄”の阿部監督…負けにお決まり「しょうがない」にファン我慢限界

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  3. 3

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  1. 6

    松本潤&井上真央の"ワイプ共演"が話題…結婚説と破局説が20年燻り続けた背景と後輩カップルたち

  2. 7

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  3. 8

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 9

    松本潤「19番目のカルテ」の評価で浮き彫りに…「嵐」解散後のビミョーすぎる立ち位置

  5. 10

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ