女子マラソン前田穂南の“省エネ走法”は過酷な夏こそ力発揮

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前田穂南(女子マラソン・24歳)

「冬と夏のマラソンは別の競技と言っても過言ではない。だから期待できます」

 こう語るのは、大阪薫英女学院高校時代の恩師・安田功陸上部監督だ。

 前田は高校時代、夢の都大路(全国高校駅伝)を走ることができなかった。3年時には仲間が全国大会初優勝。悔しい思いをしたはずだ。

 安田監督が言う。

「駅伝は最長区間で6キロ。最短は3キロです。足が細く爆発力のない前田には距離が短すぎた。路面をキックしない経済的な走法ですから、当時から長距離向きのランナーだと思っていました」

 2015年に女子実業団の名門「天満屋」に入社。17年1月大阪国際女子マラソンでマラソンデビュー。同年8月の北海道マラソンで優勝し、東京五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得した。

「五輪と同じ舞台で、暑さの残るMGC(9月15日)で結果を残すため、代表を狙う選手たちは対策を講じ、コンディションを合わせて出場したはずです。そこで前田は2時間25分15秒で優勝。2位の鈴木亜由子選手に4分近い大差をつけた。スタート時の気温はすでに25度。ゴールした前田はさすがに苦しそうでしたが、それでも他の選手より消耗度は軽かった。自己記録(2時間23分30秒)は特筆すべきものではないが、ロスのない走りは過酷な夏のマラソンでこそ力を発揮する。前田は自分の利点を生かすためノーマルシューズで走っている。国内のトップランナーで厚底を履いていないのは前田ぐらいでしょう。彼女はこだわりが強く、自分の考えを簡単には変えません。舞台は暑さの厳しい東京から北の国へ移りました。前田にとっては東京の方が良かった。でも、マラソン初優勝は北海道です。良いイメージを持っているだろうし、札幌といっても夏は必ずしも涼しいとは限らない。どんな環境でも力を出し切れば、メダルは不可能ではありません」(安田監督)

【連載】1年延期の東京五輪 メダル候補の見どころ

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