著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

教え子をバイ菌呼ばわり…何ひとつ笑えんし、ヘドが出る高校野球部監督の話

公開日: 更新日:

 ある高校の野球部監督が、新型コロナウイルスに感染した部員の名前に「菌」を付けて「殺すぞ」と罵倒してクビになった。

 どうしようもない。どうしようもないことは書きようがない。困った。まったく話にならんぞ。話にならんことは書きようがない。「どうしようもなくて話にならん」ことしか書くことがなくても、書かないと仕事にならんので書くことにする。

 こいつは、この高校でエースとして甲子園に出て、大学でもエースを張って、社会人野球でも活躍し、社会人野球の監督をやって、社会人野球のテレビ中継で解説者をやった。ウィキペディアには「日本の野球指導者」と出ている(ウィキは自分で編集できるからな)。

 それが自分の育てている部員を「バイ菌」呼ばわりした。どうしようもなく、お話にならない。「菌とウイルスはまったく別のものですよ」なんて教えてやったところで理解する頭はない。

 こいつの人生の行く末がどうなろうと知ったこっちゃない。知ったこっちゃないから想像する必要もないが、このまま野球界から追放され、世の中から忘れられ、飲んだくれ、いずこかの路上で野垂れ死ねばざまあなかったね、ともなろう。

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