TKホールディングスCEO 土屋健二(1)原点になった粗利600万円の野球教室開催

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 子供の参加費は無料。どのように利益を出したのか、さらに続ける。

「協賛企業を募りました。

 出資額によって、例えばA選手のサイン入りグッズなど返礼品を設定して。招待する現役選手に支払うギャラも必要でしたからね。つながりのある経営者たちに頭を下げたり、飛び込みで商工会議所に行ったりもした。とにかく足を使いました。断られて当たり前だけど、熱い気持ちを伝えて突っ走ろう、その気持ちだけでした。結果、20社を超える企業が協賛してくれたんです。この時に、『ビジネスはギブの与え合い』だと気付いた。スポンサーさんは子供を喜ばせられるし、グッズも手に入る。医師は検査データ、僕は収入が得られる。この気付きが、自分の原点です。ちなみに、粗利は600万円ほどでした。現役時代の年俸を一発で稼げたのです」

 現在の保険業に出合うのはもう少し先の話。この1カ月後、土屋氏は背水の覚悟で1000万円の借金を背負うことになる。 (つづく)

▽土屋健二(つちや・けんじ) 1990年10月4日、静岡県富士市生まれ。エースとして横浜高(神奈川)を甲子園4強に牽引した2008年、ドラフト4位で日本ハムに入団。12年にDeNAへトレード移籍を経て、15年に引退。プロ通算18試合、2勝3敗、防御率10.80。知人の経営する保険代理店に2年ほど勤め、独立。18年に「TKホールディングス」を立ち上げた。

【連載】元プロ野球選手 私はこうして社長になった

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