元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

シントトロイデン岡崎慎司が語る欧州挑戦へのこだわり…香川真司のJ復帰は「感慨深かった」

公開日: 更新日:

「同じ道をたどっていた」香川のJ復帰

 それは2月に12年半ぶりにJリーグに復帰した香川真司(C大阪)も同じだろう。

 2人は新型コロナウイルスのパンデミックが起きた時期にスペインでともに戦い、励まし合いながら代表復帰を狙っていた。

 元背番号10は「W杯は人生を懸ける価値がある場所。最後まで諦めていない」とW杯直前の2022年10月まで言い続けていたのだから、いかに代表を愛していたかよく分かる。

 岡崎は香川がC大阪復帰を決めた際、複雑な感情を覚えたという。

「僕と真司は代表にいた時期は、どっちかというとライバルという感じで切磋琢磨してきたけど、この4年間は代表に入るために同じ道を辿っていた気がします。スペインでもシントトロイデンでもそうだった。真司とは濃い時間を過ごしたし、常にW杯のことを話していたので、あいつが日本に帰る時はやっぱり感慨深かったですね。まるで自分が帰ると決めたような気持ちになりましたね」

 岡崎と同い年の長友佑都(FC東京)が「年齢を重ねれば重ねるほど代表やW杯への思いが強くなる」と語ったことがあるが、レジェンドたちはそれだけ真剣に代表活動に取り組んできた。日本を少しでも高いレベルに引き上げようと長い時間かけて心血を注ぎ続けてきたのだ。

 そのことを今の若い世代はよく分かっているはず。長友や吉田麻也(シャルケ)らの魂を引き継いだ堂安律(フライブルク)は、今回の新体制初陣2連戦で結果が出なかった責任を痛感していた。

「W杯でみんなが期待してくれた中、いくら新戦力だとか新しい選手だからと言っても、1勝もできないのはダメ。こういう試合をしていたら、ベテランの方たちから『何してるんだ』って言われても仕方ない。もっと責任を持ってやらなくちゃいけない」と反省の弁を口にする。

 コロンビア戦でキャプテンマークを巻くまでに成長した板倉も「東京五輪世代は個人個人が上手くなりたい、チームとして勝ちたいという思いは凄く強いし、そういうメンバーが集まっている。みんなすごくコミュニケーションを取りますし、それを続けていくことが大事」と自ら率先して意思統一を図っていく覚悟だ。

 そういった20代の面々が岡崎、香川、長友らのマインドを引き継いで常に一体感を持ち、同じ方向を見て戦っていくことができれば、日本は強い集団になれるはず。むしろ、そうならなければいけないのだ。

 そんな代表の動向をチェックしつつ、岡崎は今後も可能な限り欧州挑戦を続けていく覚悟だ。

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