著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

古橋亨梧は代表落選のショックを振り払い「日本のゴールに刺激受けてパワーに置き換えている」

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古橋亨梧(セルティック・FW/28歳)

 カタールW杯前最後の欧州遠征に招集されながら、26人枠から漏れた。

「今まで一緒に戦ってきた選手たちが、大舞台でもう少しで8強に行けるところまで迫った。素晴らしい結果を残してくれたので、本当にいい刺激をもらいました」

 日本がドイツ、スペインを撃破する姿を目の当たりにした彼は落選ショックを乗り越え、今季後半戦でリーグ9点、カップ戦を含めた公式戦通算13得点をマーク。凄まじいゴールラッシュで代表返り咲きをアピールしていく。

 ◇  ◇  ◇

 古橋が最後に代表戦に出たのは、2022年9月のドイツ遠征・エクアドル戦。1トップで先発したが、決定機を決めることができないまま、前半45分間で交代。存在感を示せなかった。

「1個のチャンスを決め切らないといけないですし、そこが大きな課題。セルティックに帰って、結果を残し続けることがアピールになると思うので、頑張ります」

 こう言い残してデュッセルドルフの地を離れたが、結果的にはカタールへ赴くことができなかった。

 結局、本番で森保監督が1トップに指名したのは同僚の前田大然。セルティックでは左サイドを主戦場とする丸刈り頭の韋駄天の武器である驚異的スプリント力と鬼プレスが高く評価されたことで、古橋がはじき出される結果になったのである。

「大然がセンターFWで出た試合もありますし、自分に先発の保証があるとは思っていない。ゴールを決められているのも、沢山の選手がパスをくれるから。大然とはタイプは似てると思いますけど、代表でどうすればいいかというのは勉強になりました。それを頭に入れつつ。僕は僕の持ち味を出したい」と語っていた。 

 守備強度を引き上げ、ボールのない動きの質を高めていくつもりだろう。

 実際、そのマイナス面を除けば、得点感覚というのは申し分ない。今の日本人FWでもトップと言っても過言ではない。セルティックでもクロスへの反応、DFの背後への抜け出し、1対1の突破からのシュート、ヘディングと実に多彩なゴールパターンを見せているからだ。

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