驚愕の「防御率0.00」佐々木朗希はどう攻略? ヒントは大魔神をカモにした“落合打法”にあり

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 今や日本球界ナンバーワン投手といっていい。ロッテ佐々木朗希(21)のことである。

 21日のソフトバンク戦で今季3度目の先発。初回から163キロを計測するなど160キロ台の直球と140キロ台後半のフォークで毎回の8三振を奪った。七回には公式戦自己最速タイの164キロをマーク。「前回はバテてしまったので、ペース配分を考えながら投げられた」と納得の7回88球3安打で、開幕から20イニング無失点となった。開幕3戦3勝。防御率はいまだ0.00である。

 昨年4月に史上最年少で完全試合を達成した。今年3月には、侍ジャパンの一員としてWBC準決勝のメキシコ戦に先発するなど2試合に登板。2009年大会以来となる世界一に大きく貢献した。

 WBC直前の強化試合で自己最速の165キロをマークするなど伸び盛り。打ち崩すのは容易ではないが攻略法はあるのか。専門家2人に聞いた。

■大船渡時代の速球対策は

 まずは専大北上の監督として同じ岩手・大船渡時代の佐々木を攻略した「経験者」。中日巨人などで捕手として活躍し、阪神ではスカウトを務めた中尾孝義氏である。

「ポイントは個別に対策を立てること。選手に任せると、どうしても直球狙いになりがちだが、速球に遅れる打者にはコーチが『変化球を狙え』と個別に指示をする。ストライクからボールになる決め球のフォークではなく、ストライクを取りにくるフォーク。これはベルト付近の高さで甘い時がある。低めを狙うとボール球になるフォークを振ってしまう。つまり、目つけを高めにすることです」

 18年秋、中尾監督率いる専大北上は岩手大会3位決定戦で大船渡と対戦した。

「勝てば春に続いて東北大会に出場できる大事な試合。佐々木はすでに有名な投手だったが、スタミナ面が課題とされていた。盛岡大付との準決勝では、10三振を奪ったものの10安打を浴びて完投負け。試合を見た印象は、球は速いのに空振りが取れない。つけ入るスキはあると感じました」

 3位決定戦の前日、専大北上は「朗希対策」として通常より3メートルほど前に打撃マシンを設置。体感を150キロにして打ち込んだ。中尾監督はミーティングでこう指示を出したという。

「バットを短く持って、振り過ぎない。当てにいくんじゃなくてコンパクトに振ろう。高めの真っすぐは打てないから見極めよう。目線を上げずにアゴを引いて、ベルトから下の球を狙っていこう」

 連投になるため、佐々木は先発を回避したものの、専大北上が9-10と1点差に追い上げた八回無死二塁の場面で、リリーフとしてマウンドへ上がった。専大北上打線は同点打などで佐々木を攻め立て、最後は押し出し四球をもぎ取って逆転勝ちを収めた。

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