手放しでは喜べない? 尊富士の快挙「110年ぶり新入幕V」が美談仕立てになる危うさ

公開日: 更新日:

 記録、記録、記録尽くめの快挙である。

 新入幕で3月場所を制した前頭17枚目の尊富士(25)。新入幕の優勝は110年前の両国(元関脇)以来。当時は年2場所10日間制だったので、現行の制度だと尊富士が初ということになる。さらに、初土俵から所要10場所での賜杯は史上最速。幕下付け出しで入門し、同15場所の輪島(元横綱)の記録を抜き去った。前相撲から始めた尊富士は、なおさらそのスピードが際立っている。

 他にも、三賞のトリプル受賞は2000年の琴光喜(元大関)以来。青森県出身力士の優勝は、1997年の貴ノ浪(元大関)以来である。

 優勝インタビューで「自分自身を信じて土俵に上がった。師匠(伊勢ケ浜親方)が(中継の)解説だったので、しっかり、いい相撲を見せたかった」と語った尊富士。

 しかし、前日までは多くのファンや関係者から「無理せずに休場を」と危惧されていた。

 14日目の朝乃山戦で右足を負傷し、救急搬送。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「靭帯が伸びてる。とても相撲は取れない」と話していたほどだ。

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